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笹幸恵
2016.10.28 16:05

皇室典範改正準備室

今朝は半分寝ぼけたまま大学に向かい、

控室で朝日新聞を広げ、一人怒りに震えて目が覚めました。

有識者会議のヒアリングのメンバーについて。

もう他の師範方もすでにブログにアップされているので、

詳しくは述べません。

が、やっぱり言っておきたい。

「一体どこがバランス取れてるの????」

結局のところ政府には特例法で進めたくて、

一応異なった意見にも耳を傾けますよ、と

いう姿勢を見せるためだけに生前退位“慎重派”の人々を

呼ぶだけなのだろう。

特例法ありきなのに、これで「バランスを取っている」などと、

子供だましもいいところ。

 

授業後のわずかな休み時間、

今度は読売新聞。

「生前退位」バランス配慮

の見出し。
もういいです。

しかし3面では、三笠宮さまのご逝去の関連記事で、

男性皇族が少なくなっていること、

女性皇族の役割が増していることなどが

取り上げられていました。

 

政府内でも「このまま何もしなければ、

皇族女子が次々と結婚され、現状の皇室活動が

維持できなくなる」(首相周辺)との懸念は強い。

 

こう政治部記者の言葉で締めくくられている。

 

その懸念がホンモノなら、皇室典範の改正に

真正面から取り組まなければなりません。

 

で、内閣官房には「皇室典範改正準備室」なるものができ、

ここで検討しているのだそうです。

準備室長の田中宗子さんという方がブログを開設していました。

摂政については、「国際社会における日本の評価が危うくなることも懸念され」るし、

一代限りの特別立法で解決できるものではないとしています。

 

天皇はただ存在しているだけでいいとする意見に対しては、

「天皇を絶対視、神聖視する大日本帝国憲法の考え方であり、時代遅れ」

述べています。

 

確かにそういう見方もあるのかもしれませんが、

ここは、絶対視、神聖視しているというよりも、

天皇より自分のほうが上だと思っちゃっている人の意見です。

 

と思っていたら、なんと、この室長もそういう発想でした。

 

日本国憲法では、天皇の地位は日本国民の総意に基づくとあります。
ならば
国民は天皇に対し意見を述べ、注文を付けることができてしかるべきです。
よって生前退位の要件には天皇自らが高齢等を理由に生前退位を希望する他に、
国民の側から天皇へ生前退位を要求できるようにするべきであると考えます。
ただしこれは国にとっての重大事項ですので、国会の2/3の賛成を要するとすべきです。
天皇の恣意的な交代を防ぎ皇室の安定的継続を確保するために必要です。



ええ???
生前退位に関しては、皇室会議で諮るという手続きで良いのでは?
こんなことしたら、時の政権による「恣意的な交代」を強いられるのでは?
それが安定的継続になるの?

・・・こういうのを国民主権病というのでしょうか。

 

その他、ブログには「象徴とは何か」や、

イギリス王室との比較などが紹介されています。

いろいろな意味で勉強になるので、注目していきたいと思います。

というか、有識者会議で議論する内容と、
この皇室典範改正準備室、なんで別々なのだろう。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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